価値探究の道

投資や競馬の世界で儲けを追求するに世間で思われている価値と実際の価値のギャップを見つけること。そんな思いで書かれたブログです

上司から学んだ事

これまで上司と揉めた話を書いてきましたので、中田がろくでもない上司にばかり仕えていないように思われるかもしれませんが、勿論そうでない上司もいました。中田が今でも尊敬するのは、最初の出向先の上司の方で、この方が部下である私に対して示した態度は今でも印象的に残っています。

中田がその上司に仕えたのは、入社4年目の時期でした。その頃はネット関連の仕事をしていたのですが、ある時上司である部長から「見込み客の顧客化率を高める施策を考えるように」との指示がありました。

その当時の私はチームの中で一番下っ端でしたので、普段ならチームリーダに考えさせるような仕事を私に振ってきたこと自体驚きました。

その後3日間かけて企画を考えましたが、自分でもまだまだ練れていない企画だと思って、不安だらけの心境で部長に報告しました。

一通り企画書と私の説明を聞いた部長は、「分かった。これでいいから話を進めてくれ」とおっしゃったのです。私は当然部長から指摘もしくは、修正を受けるかと考えていましたので、かえって上司の発言に戸惑いつい、こんな事を言ってしまったのです。

「部長。自分で考えた企画に対してこう申しあげるのも恐縮ですが、この企画がうまくいくかどうか全く自信がないのです・・・」そんな私の発言に対して部長はこうおっしゃったのです。

「いいか中田。部下であるお前が持ってきた案を上司である俺が承認したのだから、何かあった時の責任は俺が取るに決まっているだろ。そんな後ろ向きな事を考える暇があったら、うまく行く方法をもっと考えろ」

私は未知の仕事に対する不安感が薄れ、何とも云えない安心感に包まれたのを覚えています。先程申し上げた仕事も見込み客の顧客化率を10%以上上昇させる事が出来、成功裏に終わったのです。

私がこの時感じましたのは、部下や後輩に指示もしくは命令が出来るのは、部下や後輩に何か問題があった時に責任を取ることとトレードオフの関係であるという点です。

相性の合わなかった上司の話しもしましたが、最初に不信感を持ったのはお客様からクレームがあり、上司に対応を依頼した際に「自分で播いた種は自分で何とかしろ」と言われた事がきっかけだったと記憶しています。

確かに部下や後輩が自分の預かり知らぬ所で起こしたミスに、「自分の責任ではない」と言いたくなるのは分からなくはないですが、そのありがちな反応を抑えないと、下の人間から表面上でない、真のサポートを受ける事は難しいと思います。

サラリーマンは上からの引き上げがないと出世が出来ないことも確かですが、下で自分を支えてくれる人がいないと案外簡単にひっくり返されます。先程申し上げたトレードオフの関係は、今から10年程前の経験ではありますが、信頼出来る上司から学び、いまだに私の信条として残っていることなのです。