白米と梅干し
中田は長らく梅干しを食べていない人種でした。御飯も基本玄米派であったこともありますが、白米と梅干しという黄金の組み合わせはも長らく私にとって無縁の存在でした。
その長く続いた習慣が打破されたのは結婚してからでした。新婚旅行の際に嫁の荷物の中身に「梅干し」が入っていたのです。私は日本食が懐かしいので持ってきたと思っていたので最初は食べる気はなかったのですが、嫁の兄夫婦が私たちと同じ場所に新婚旅行に来た際に、お腹を壊して大変な目にあったそうで、その件があったので嫁のお母様が持つように言われたようなのです。
梅干しは嫌いでしたが、私は新婚旅行でお腹を壊すリスクは避けたいと思いましたので、梅干しを食べる事にしました。そのお陰もあったのか、二人とも旅行中に全く体調を崩す事がなかったのです。
旅行後、私は長く玄米派だったのですが、嫁は毎日玄米を食べるのは抵抗を感じるとの事でしたので、我が家の食卓は白米と玄米が半々ずつになりました。
白米の時は嫁の要望もあり、ずっと梅干しとの組み合わせで食べていました。その後ある本を読んだ際に、白米と梅干しの組み合わせは白米だけ食べると胃の中が酸性化しやすいのを、アルカリ性の梅干しを食べる事で中和出来る等様々なメリットがある事が分かり、今は嫁に言われないでも梅干しと御飯を一緒に食べるようになったのです。
世には食わず嫌いとの言葉がありますが、私と梅干しの関係もまさにその通りでした。ただストレートに梅干しを食べなさいと言われても逃げていたのでしょうが、「旅行先でお腹壊したくないでしょ」との言い方で私は納得してしまったのです。
食わず嫌いを直すのも相手のメリットを考えて発言する。嫁に教えられたのは健康に関する事ではなく、人を説得する技術だったかもしれません。