価値探究の道

投資や競馬の世界で儲けを追求するに世間で思われている価値と実際の価値のギャップを見つけること。そんな思いで書かれたブログです

厳しい先輩

会社で働いていると厳しい先輩がいらしゃると思います。特に会社に入って年次が若いうちですと、自分のなすこと全てに難癖をつけられているような感じがしてあまりいい思いはしないものです。

そのような先輩にはあまり関わりを持ちたくないと考える人も多い方と思いますが、その人から離れる前に少し考えて見て下さい。あなたは本当にその先輩を真意を理解しているのでしょうか。

中田は「厳しい」先輩に対して大変な考え違いをしていたのです。

中田の今の仕事はマーケティング関連の集計やデータ分析をする仕事ですが、その仕事に初めて関わったのは入社3年目の時でした。それまで営業の経験しかなかったので、全く畑違いのこの仕事に対しては分からないことだらけでした。

前任者から引き継ぎを受けた際には、分からない事があれば先輩社員であるYさんに聞くようにとの指示があったのですが、このYさんが忙しいかったこともありますが、全然私の質問に回答してくれない方だったのです。

質問があるなら後でまとめて答えるから、書面に書くように言われたので書面に書きますと、質問の意図が分からないと回答されたり、マニュアルに書いてある事を質問しようものなら、「マニュアルをよく読め」ですとか「マニュアルに書いてあるような事を質問するな!」と一括されたりしていましたてました。

私はYさんの対応に不満を持ち、非協力的な先輩だと思うようになりました。Yさんに頼るくらいなら自分で何とかしようと考え、独自で勉強した結果次第に分からない事は減ってきて、Yさんに質問するような事はなくなってきました。ほどなくYさんに辞令が出て別部署に行く事になったのでYさんと仕事で関わりを持つ事はなくなってしまったのです。

その後2年程たち私が異動する事になりました。送別会の場でたまたまYさんが私の隣の席になったのです。酒を飲んで酔っ払った事もありますが私はYさんに「この部署に来たての頃は分からない事だらけだったのですが、Yさんの厳しい指導のお陰もあり私も成長しましたよ」と冗談のつもりで話しかけました。それに対するYさんの以下のように答えたのです

「そうだね、ウチに来た頃の中田君は仕事になれていないせいもあるけど、依存心の塊みたいなところがあったからね。僕も君をこのままにしてはまずいと思ってわざときつい態度を取ったんだよ。そのお陰で君のスキルがここまであがったのなら、僕も厳しい態度をとった甲斐があったよ」

私は頭に石をぶつけられたような衝撃を受けました。私はYさんを自分の事しか考えない非協力的な先輩だと思い込んでいたのですが、実は私のトータル的な成長を考えて指導することを考えていてくれたのです。

中国に「魚を与えるのではなく 魚の 釣り方を教えよ」との格言があります。後輩の質問にその場で答え解決させる事は前者の方法ですが、Yさんは敢えて後者の方法を取ったのです。

私が厳しいと思い込んでいた先輩は私に自分で仕事をする力をつけさせようと考えていた真の意味で優しい先輩だったのです。皆さんは表面的な対応で「優しい」「厳しい」を判断されていないでしょうか?くれぐれも若い頃の中田と同じ誤ちをされないようご注意ください。