仮説と検証
先日他部署が行ったあるキャンペーンの報告を聞きました。結果的に望ましくない結果に終わっていましたので、担当者の人は早く報告を終わらせたい姿勢が見え見えでしたが、中田としてはどうしても聞きたい事があってので会議が終わった後、担当者を捕まえて聞きました。
「Oさんさ、今回のキャンペーンってどういう仮説を基に行ったの?」「ええ、30代~40代のお客様獲得を目的に行ったのですが」「それは分かるけど、30代~40代のお客様に何のサービスが提供すればよいと判断したの?」と言うとOさんは怪訝そうな顔をしていました。中田はこれ以上話しても無駄かと思いましたので、話をするのを辞めました。
キャンペーンとかの報告の際、うまくいかなかった事実を取繕ったり、ごまかしたりする例はたまに見られます。中田は性格かもしれませんが、その手の報告をする際に想定した結果は望めませんでしたとはっきり言うようにしています。それはキャンペーン等でうまく行かなかったのは失敗ではなく、仮説のひとつが間違っていたと思うようにしているからです。
当たり前ですが、ビジネスでやる事全てがうまくいくなんて事はありません。キャンペーン等を企画する際は、こうすればうまく行くのではないかと考えて実行に移るのですが、それはあくまでも自分達の仮説でしかない筈です。
結果が出た時に検証を行って、うまくいかなかった時に仮説そのものが間違えていたのか、他の要因でうまく行かなかったのが判断し、その知見を溜める事に意味があるのではないかと中田は考えています。
自分の立てた企画はうまくいって欲しいなと思いますが、うまく行かない可能性をある事を充分分かっているので、あくまで仮説だとの前提にしているとも言えます。うまくいくか、いかないかどうか分からない事に100%うまく行ってくれと願うのは人間の我儘でしかありません。
中田の好きなビジネス本のひとつに仕事は楽しいかねシリーズがあります。その本の第一巻に掲載されていた「試してみる事に失敗はない」との言葉は未だに忘れられないものです。自分のした事を失敗と判断すると精神的にもダメージが大きいのですが、少し試してみただけだと判断思えばダメージも少ないですし、むしろうまくいかなたった事で学べる事のメリットの方が大きいわけです。
発明王エジソンが電球を開発する時に1000回以上の実験を行っています。それをみた周囲の人がエジソンに対しそんなに失敗してもう諦めたらどうですかとの事を言われた時エジソンは「私は1000回近く実験をして、電球の材料に向かない材料を1000個発見する事が出来た。もうしばらく実験をすればよい材料が見つかりますよ」と。
傍から見れば失敗と思えるようなこともエジソンにとっては仮説を確かめる実験の一つの過程でしかなかったというわけです。中田もこのような姿勢で仮説と検証に今後も取り組んでいきたいと思います。