価値探究の道

投資や競馬の世界で儲けを追求するに世間で思われている価値と実際の価値のギャップを見つけること。そんな思いで書かれたブログです

日本国債

先日のNHKスペシャルで日本国債の話が取り上げられていました。日本国債が危険な水準まで来ていることが取り上げられた番組だったのですが、一緒に見ていた嫁が、「国債が危ないのは分かったけど、普通預金に預けてるから大丈夫よね」と言ったのを聞きまして、普通の人の理解こんなものなのかなと改めて思いました。

預けられた普通預金は、銀行はほったままにしていても利息を払う事が出来ません。これまで企業の貸し出しに使っていたかもしれませんが、今の不況の日本で融資を受けたがるの所謂危ない会社がほとんどで、銀行がお金を貸したい優良企業は逆に融資を受けたがりません。

そうなると銀行は預けた資金を国債などを運用して回そうとします。郵貯等でその現象は顕著で郵貯の2兆円近い利益のうち約9割は有価証券の利息配当金です。郵貯の有価証券保有残高は約167兆円という凄まじい額です。これだけの額を持っていて、利息が2兆円としますと(年利1%)要はほとんど国債のような安全な資産で回しているが分かります。

国債と言えど時価のついた市場で取引されている商品です。今現状10年国債の利回りは0.76%とかなり低水準となっていますが、この利回りが上昇する事は政府の金利支払いは増える、郵貯保有している国債の価格が下落すると二重の悪影響を受けます。

仮に10年国債の利回りが2%程度に上がったら、国債の時価は半分程度になり現状の決算制度の下では強制評価損を避けられません。預金残高(約175兆円)のほとんどを国債運用に回している郵貯が損を出す=預金を全部返せないとなり、仮に預けているが普通預金でも無事に全額戻ってくると考えるのは甘い考えに思います。

ここまで細かい事を嫁には説明しませんでしたが、普通預金しかなくて、国債は買っていないから安全だと思うのは間違いよと話したところ若干ショックを受けていたようでした。

先程の番組では、財務省の役人が国内の金融機関が国債と言っても短期のものしか買ってくれないので、シンガポールの金融機関に国債を売り込む姿が移されていました。海外の金融機関に保有をお願いする事=他の国の国債との競争に巻き込まれる事を意味します。10年で0.75%の利回りしかつかない日本国債がそれ程国際的に競争力を持つとは思えない状況で海外の投資家をアテに出来るでしょうか?

残念ながら今回の番組を見ても、日本の財政危機は確実に近付いていると思いました。勿論日本の財政危機を取り上げられたのは今回が初めてではありません。10年前ほどからずっと叫ばれているにも関わらず切りぬけ続けているのも確かです。

ただ以前のアメリカの住宅市場においても、FRBグリーンスパン議長などが過熱ぶりを以前から警告していたにも関わらず、好況は続きました。グリーンスパンの行った事は間違いが、今度の景気違うのだよと誰もが思い始めた頃にリーマンショックが発生、その影響は現在でも深い傷を残しています。
バブルにしても何にしても、事が発生するのが遅れれば遅れる程ダメージは大きくなるのです。今回の番組を見て中田は2013年決して油断できない年になるなと改め思うようになりました。