価値探究の道

投資や競馬の世界で儲けを追求するに世間で思われている価値と実際の価値のギャップを見つけること。そんな思いで書かれたブログです

ローマ法王に米を食べさせた男を読んで

3連休の初日にこちらの本を読みました

ローマ法王にお米を食べさせた公務員がいると知ったのは中田の職場の近くにある定食屋の一つで「ウチの御飯は神子米を使っています」と書かれた事がきっかけでした。今回その縁もあり、作者に興味を持ったので読んでみようと思いました。

作者はローマ法王にお米を食べさせてもらうような人の思いつかないアイデアを考える人ですから、この本を読むまでの印象は稀代のアイデアマンかと思ったのですが、読み終わった後は一流の経営者との印象を持ちました。

過疎化する村を立ち直す際も、まず村が過疎化した原因をよく追及し最大の課題は農作物の値段を自分でつけられないことだと判定した後は、農作物を付加価値をつけて売る事を最大の目標としています。

お米にしても、もともとおいしい事は分かっていたので、天皇陛下・アメリカ大統領・ローマ法王の誰かに食べてもらえればブランド化出来ると考えた上でローマ法王が話しに乗ってくれたのが実際の話のようで、恐らくこの作者であればローマ法王が駄目だといったとしても、他の有名人に食べていただく事は成功したと思います。

最後の章に書かれていた、自然米の栽培(フランスの有名レストランアラン・デュカスが発注を決めたお米)も農作物に付加価値をつけて売るとの最初の戦略に従って行ったことであり、大戦略を最初に立てて多少の紆余曲折はあってもその方針に従って進んでいく点は、一流の経営者そのものだと思いました。

また筆者は人の扱いも一流です。人を判断する基準は肩書ではなく人格であると高潔な事をいう一方で、反対派の議員を抱き込む際に外堀作戦と称して、総理大臣からの応援メッセージをいただき黙らせる。

何でも反対する人は、同じ事しか言わないので「前にも同じことを言われましたよね」攻撃で持久戦で抑え込むなど等実際のサラリーマン生活でも役に立つと思われる清濁併せのむメソッドも参考になりました。

ただそれは作者が反対はするけど何も行動しない「評論家系」の人達の過りに気付いて欲しいからこそのことであり、私利私欲の為だけに働いているのではなく、町の為、町で働いている人の為に尽力している、非常に高潔な方に思いました。

筆者は「可能性の無視は最大の悪策である」と語っています。これは私の尊敬する上杉鷹山の語った「成せばなる、成さねばならぬ何事も。成らぬは人の成さぬなりけり」とほぼ一致した内容に思いました。

公務員でかつ、一流経営者として思考を持っている高野さんの働き方は、公務員だけでなく、日本で働く全てのサラリーマンが学んだ方がよいように中田には思います。


「ローマ法王に米を食べさせた男」