価値探究の道

投資や競馬の世界で儲けを追求するに世間で思われている価値と実際の価値のギャップを見つけること。そんな思いで書かれたブログです

僧職会計士の経営道

先日読んだのはこちらの本です
僧職会計士と書かれていますので、一瞬お寺関係の人が会計士になったかと思われるようなタイトルでしたが、実際は公認会計士として一部上場企業の社長となった方が、母親が亡くなった事をきっかけに僧職に入られたとの事でしたので、作者の経歴も結構異色の方だと思います。

現代のビジネスと仏教と聞きますとどこかかけ離れたイメージを持つものですが、作者自身は仏教の教えを理解すれば現在起こっている日本経済の行き詰まりの原因は解決すると論破されています。

むしろ効率第一主義の現代経済学があまりに効率主義を追求してしまい、松下幸之助や昭和の名経営者が持ったいた、宗教観に基づいた哲学を忘れてしまった事こそ行き詰まりの原因ではないかと述べています。

作者は仏教の教えに基づいた「中道の経済学」や」「自利利他」の精神を持つことこそ今後の日本に必要なものではないかと訴えています。現代経済学の理屈で言いますと、少子高齢化が進むと予想される日本の経済的成長は望むべくもありません。そんな時代を迎えようとしている中で、古来より日本人の大切にしてきた、仏教やはたまた17条憲法の教えにかえるべきだと主張しています。

実は大分以前に買ったこちらの本にも江戸時代の近江商人が「商い」に成功した理由の一つに仏教の教えを守ったからだとの話が書かれていました。
仏教の目的が人間性を高める事にあることと同様に、成功した近江の商人は自らの商売を人間性を高める為に活用した。であるから、商売が成功しても質素な暮らしを継続出来たし、自らの儲けを他人に還元する事も厭わなかったそうです。

西洋的な効率主義一色にビジネスが傾きすぎになり、色々綻びが目立つようになった現在だからこそ、温故知新の意味を込めて先人の教えを振りかえるのもよいかもしれません。