価値探究の道

投資や競馬の世界で儲けを追求するに世間で思われている価値と実際の価値のギャップを見つけること。そんな思いで書かれたブログです

そりゃ長期金利も上がりますよ②

昨日のブログで、いいことずくめと思われたアベノミクスにも国債金利の上昇という望ましくない現象が起こり始めてきた事を書きました。財政面で課題を抱えている日本にとっては、この問題は取り扱いを誤ると大変な問題になります。安部首相+黒田日銀総裁の打てる手は中田は数少ないと思いましすし、出来るとしたらひとつしかないなと思います。

それは、2014年度以降一気に財政支出の抑制を図り、赤字国債の新規発行という新たな借金の調達のなくても収支均衡となる水準まで、予算を縮小する事です。アベノミクスによる円安の影響で、上場企業は軒並み好決算を誇っており、特に主要産業である自動車業界では過去最高の利益を訴える企業が続出しています。

大企業中心とはいえここまで利益水準が上がれば、税収を含めた国家の歳入面がかなり回復する筈です。収入が回復したのであれば、支出の無駄を省き収入に応じた予算案を作成し、赤字国債の発行を完全にゼロにする。

それであれば、上昇した金利で新たな資金調達を行う必要はありませんので、国債金利上昇を財政面では必要以上に恐れる必要はありません。

ただ、この手法の問題は、予算を縮小するとなると必ず反対してくる勢力に対抗出来るのかという点です。反対勢力は国家全体の事を考えず、自分の関わる組織や団体の短期的利益の観点から反対するのですが、その結束力はかなりのものです。

それこそ以前のNHKスペシャルでも取り上げられたように、震災復興予算に色々な名目をつけて他に流用してしまうような考えの人もいる官僚相手に、こうした展開が果たして望めるかという点です。

ただもしそのあたりの調整が効かないとなりますとアベノミクスは最悪の展開を迎えかねません。新たな赤字国債の発行を上昇した金利水準で行いますと、国債の利払い(借金の金利支払い)がより増加。無用な支出が増加する事になり財政面の課題はますます悪化する事になり、お先真っ暗の状態になります。

そうなると、アジアの通貨危機等他国の混乱に乗じて大儲けをした事のある外国人投資家が、この混乱を逃すとは思えません。ヘッジファンドが日本国債売りを大規模に仕掛けが起こるようですと、国債暴落+大円安+円安に伴う物価の上昇による悪性のインフレ発生という、最も悲観するシナリオにもなりかねません。

中田は正直アベノミクスを最初短期的な株価上昇と思っていましたので、最初の見解が外れた事は自分でもまだまだと思いました。特に黒田総裁が無制限の金融緩和を行うと言った時点で、株価の上昇は当面続くかもと思っていますが、一方で黒田総裁の取った施策は抜本対策ではなく、強烈なカンフル剤を打ったに過ぎないと思っています。

それ故、カンフル剤が効いているうちに根本的な体質改善を図れるのか、カンフル剤が切れた瞬間に終わるのかの見極めは非常に重要だと思います。

長期金利の上昇はそのひとつのサインだと思っています。株価と為替だけが取り上げられがちな昨今の風潮となっていますが、長期金利の動向を見る事こそ日本の今後を見極める上では株価より重要なことではないかと中田は思います。