価値探究の道

投資や競馬の世界で儲けを追求するに世間で思われている価値と実際の価値のギャップを見つけること。そんな思いで書かれたブログです

サラリ-マンのメリット②

前回のブログでサラリ-マンのメリットとして「社会的信用」が高いことを挙げました。中田の考えるもうひとつのメリットは

「他人の力を借りやすい点です」

大会社になればなる程組織と与えられた業務の範囲がしっかり定まっています。サラリ-マンは役員レベルの人は別として普通は所属している組織の業務の範囲内の業務をする事が求められ、それぞれの組織には与えたられた業務に対して習熟した従業員の人がいます。

「営業」の人が突然明日から「人事」のプロとしても働けと要求されることはありませんし、「マ-ケティング」の人に突然「経理」の業務も兼業しろとも言われません。部署間の異動は求められるとしても、二つ以上の全く異なる仕事をするように要求されることはそれ程ないはずです。

これが自分で会社を経営することになったり、ベンチャ-企業になると違います。会社を運営するには「営業」も「人事」も「マ-ケティング」も「経理」も必要となります。人がいない状態では多少不慣れなことでもし自分でやるしかありません。外部にアウトソ-シングする方法もないとは言えませんが、外部に委託する以上当然経費はかかります。

これがサラリ-マンですと、あなたが法律の事に詳しくなくても、「法務」に所属している人に聞けば少なくとも素人のあなたが調査するよりかは妥当な回答が返ってきます。仕事の関係の話であれば相手に対価を払う必要もありません。このようにサラリ-マンは自分が詳しくない、担当外のことでも極めて他人の力が借りやすいものです。

自分の担当外・苦手な事項を社内の誰に聞けば分かるかを知っているのも「立派なサラリ-マン」としても才能だとも言えます。勿論他人の力を借りる以上、事前調整や各担当者との良好な人間関係の構築などの必用もあります。ただ、それらの対価を払ったとしても「他人の力」の借りやすさはサラリ-マンの大きなメリットだと思います。

前回書きました「社会的信用」も、他人(銀行)のお金や他人の住居(賃貸物件)や他人の信用(カ-ド会社)を使うものですので、「他人のリソ-ス」を極めて借りやすいのが大きな意味でのサラリ-マンのメリットだと思います。

自営業になった人がサラリ-マンの時代が良かったと痛感する事の一つとして、経営に関わる様々な事を他人がやってくれていたと言う話もよく聞きます。特に税金面は給与から源泉徴収するスタイルが当たり前のようになっている日本のサラリ-マンにとっては最も面倒を感じることのひとつだそうです。日本の会社では自分の実力一つで仕事を行っていると感じている人も、想像以上に他人の力を借りている事はよくよく認識すべきことかと思います。

サラリ-マンにはデメリットも色々ありますが、メリットもあります。サラリ-マン生活に終止符を打つ選択を考えている方は、中田が書いた以外のメリットがないか考えてみてはいかがでしょうか。一時の感情に左右されて重大事項を決めてはいけません。後で後悔するのが嫌なら今大いに考えましょう。