【書評】JAL再生
アナリストの人が書いた内容といいますと、数値が前面に出て、数値面のこのような状態がいけなかったのを、改善の結果数値がこのようになったからといったお堅い内容を想像しがちですがこの本に書かれている事はかなり違いました。
この本に書かれいてる事は社長に就任された稲盛氏が経営上層部に対して管理者教育ではなく、リ-ダ-教育を徹底したことであり、上がリ-ダ-になることで、現場の社員にも意識改革が生まれたことによると断言されている気がします。
勿論債務免除や数年間課税が免責された点等政府の設けた様々な優遇策が再生には一役買っているのも確かですが、それよりも重要なのは稲盛氏の「京セラフィロソフィ」と並ぶ、「JALフィロソフィ」が現場に行き渡り、お客様の役に立つ・何を今すべきなのかを考える事が、企業の倫理やマニュアル重視の姿勢より大事との思いが広がったからだと言えます。
実際本書に書かれている内容も3/4は数字の事だけでなく、「JALフィロソフィ」に関することです。数値面のプロともいうべきアナリストの方が、再生の鍵は経営陣へのリ-ダ-教育であり、企業哲学の浸透と述べた点は、低迷しがちな日本企業に対する大きな気づきを与える意味ではよい本ではないかと思います。