効率的な仕事の進め方

先日課長から、半年前に異動で来た後輩社員K君の仕事のやり方を指導して欲しいとの要望がありました。確かに彼は傍から見ていても、課長に怒られている回数が多いですし、連絡不足とかやるべき事を忘れて中田を含めた周りの人に迷惑をかけている回数は多かったので、中田も引き受ける事にしました。

ある仕事で中田とK君が組んだ際に、中田とK君の役割を決めた後中田はK君に明日までに、自分のやるべき仕事をリストアップして見せるようにお願いしました。

翌日K君がリストを持ってきました。書いてある仕事については問題がないのですが、中田がK君に「じゃあこの仕事のうち今日中にどれからやるの？」と聞きますと、彼は明日以降にやりますと言うのです。

彼のリストアップしたした仕事のひとつは、他の部署との調整が必要な業務ですので、打ち合わせの設定だけでもしておいた方がいいと中田は感じていました。

ただそれでも今日中にやらなくてはいけない急ぎの仕事があるかと思ったので「これやらないとしたら今日他に何の仕事するの？」と確認したところ彼はリスト作成の仕事があると言うのですが、その仕事は中田も内容を理解していましたが、特に今日中に作成しなくてもよい仕事です。中田は彼の仕事がうまくいかない要因の一つが分かった気がしました。

K君にそのリスト作成の仕事は今日中に仕上げるように誰かに頼まれたのかと聞きますとそうではないとの返答でした。その後、その仕事は今日中にしなくてはならないのかと彼に確認したところ、今日でなくても差し支えがないということでした。中田は K君に言いました

「K君の仕事が滞るのは仕事の優先順位が決まっていないからだよ。優先順位を決めるコツは、今日やるべき仕事を今日やる事。大事な仕事でも今日中に終わらせる必要がないのであれば、明日やればいいのだよ」

その後彼と仕事をする際は、仕事をいつやるのか、今日中にやる必要はあるのかないのかを徹底するようにしました。そのお陰もあって彼とする仕事も、以前のもたつきが嘘のように支障なく進む事が出来ました。

デールカーネギーの本で悩みを解決する方法のひとつとして、今日やるべき事に全力で取り組み、過去の事や明日の事を思い煩うなとの指摘があります。

仕事もこれと同じで、今日するのは今日やるべき事だけでいいのです。今日の仕事だけでも大変なのに、明日の仕事や急ぎでない仕事も全てこなそうとしますと、どんな有能な人でも疲れてしまいます。

「今日やるべき事だけを今日やる」中田の考える仕事を効率的に進める考え方のひとつです。