価値探究の道

投資や競馬の世界で儲けを追求するに世間で思われている価値と実際の価値のギャップを見つけること。そんな思いで書かれたブログです

仏の心で鬼になれ

週末に読んだ本です。最近、部下(後輩・同僚)との人間関係を色々考えている最中ですので印象に残るのかもしれません

近所の書店でタイトルを見て気を引かれ、目次に書いてあるこの言葉を見て読んでみようと思いましたが、期待以上の内容の本でした。
作者は、「そうか君課長になっかのか」等の著書を書かれた、佐々木常夫氏の会社の先輩にも当たる方で、借金だらけかつ慢性的な赤字に陥いっていた老舗商社を社長就任後一年で黒字どころか、無借金の状態にまで改善させた実績を持つ相当な辣腕家です。

そのような人が「鬼になれ」と言いますと、一見すると部下に厳しく当たれといった内容の事に思うかもしれませんが、何の為に部下にきつくあたっているかといいますと、部下の将来を考えてのことですのです。

ただこの人の部下に実際になった人は大変だと思います。「部下がヒーヒー言い始めた時から成長が始まる」等言っていますので、一歩間違えばパワハラを訴えられかねない状況ですが、そうならなかったのは誠実さが行動に裏打ちされたからではないかと思います。

作者は社長に就任する際に給料は要らないと親会社のトップに宣言しています。これも部下にリストラを初め、色々苦労を味わすのに、トップである自分がのうのうと給料を貰う事は出来ないとの考えで行った事だそうで、このような私心のなさがあったからこそ部下もついていったのだと思います。

そして社長退任後に、自分がリストラした社員の方からも歓迎会の場をもうけてもらったそうです。この本を見て、昨今話題にのぼった高校の教師が体罰を行った結果、男子生徒が自殺した事件の件を思い出しました。

その後の柔道連盟体罰問題を含め、体罰絶対悪との見解が拡がりましたがこの本を読んで、体罰が良い悪いを決めるのは指導する側の人間性に左右されているのだと思いました。

以下の二項目に、何の躊躇もなく「イエス」と応えられる方であるなら、あなたの行った世間一般で「体罰」や「パワハラ」と言われているものを、部下や生徒は指導として受け取ってくれるでしょう。そうでないのであれば、いずれあなたの身を滅ぼす事になるので、やらない方が無難でしょう。

・「上司(教師)は部下(生徒)を幸せにする義務だけがあって、不幸にする権利はない」と考える
・部下(生徒)がミスを犯した時は、上司(教師)が責任をとる形から絶対に逃げず解決に専念する

何故私がこのように考えたかと思われる方は、全て本書に書かれているエピソードですから、この本を読まれるべきだと思います。

仏の心で鬼になれ