価値探究の道

投資や競馬の世界で儲けを追求するに世間で思われている価値と実際の価値のギャップを見つけること。そんな思いで書かれたブログです

生き方

京セラの稲盛会長の「生き方」がサンマーク出版からリニューアルされて発行されました。
初版が2004年ですので9年前の本になっているのですが、言われている内容がそのまま通じてしまう事が残念に思います。むしろ9年前よりもギクリとする事が多いように思いました。

本書で語られている事は、昨今の日本の低迷は日本人が精進を忘れてしまった事が最大の要因であるが、精進する為に禅寺に修行に行く必要はない日々の仕事に真剣に取り組めば精進になると語られておられます。

また夢を持つ事は大事だが、その夢を実現するには日々の仕事を地道に積み上げていくしかない。ただ、成功する人間は日々の仕事を少しでもよくしようと絶えず改良を重ねているのに対して、そうでない人間は何の進歩もなく同じ事を繰り返しているだけであると手厳しい指摘をされています。

本書を書かれた後、JALの再建をほとんど無償で引き受けられて成功した稲盛会長は、今や神格化された存在になりつつありますが、成功の基本は何か判断が必要な時に、「人間として正しいかどうか」だけを拠り所にされたからとも書かれています。

また人間は運命に翻弄されるものであるが、運命は日々善行を積み重ねる事で変える事が出来るとも断言されています。

人によって反応される箇所は違うと思いますが、本書が書かれてから9年間何も変わっていない日本に嘆きを感じるのであれば、何が問題なのかを確認される価値はある本だと思いました。


「生き方」