価値探究の道

投資や競馬の世界で儲けを追求するに世間で思われている価値と実際の価値のギャップを見つけること。そんな思いで書かれたブログです

まずルールを破れ

先日にこちらの本を読みました

すぐれたマネージャーが、他の一般的なマネージャーとどのように考え方が違うのかも調査した本です。発行されたのが10年前の本ですのでビジネス本としては古い分野にあたる本だと思います。

「まずルールを破れ」とタイトルからして、一見すると優れたマネージャーは会社の今あるルールを破る事をモットーにしているのかと思われるかもしれませんが、実はそうではなくすぐれたマネージャーは世間一般の人が考える方法と異なったやり方でマネージメントを行う事が書かれた本です。

まず優れたマネージャーのしようとする事は部下を管理するのではなく、部下の才能を引き出すことであり、併せて才能ある部下を引き止めることなのです。最適の人材を最適の仕事に割り当てる事が、最も生産性を高める行為であり優れたマネージャーは、部下の才能や考え方を見抜く事に並々ならぬ注意を払っているのです。

その根本には人の持っている才能は生まれつきのものであり、教育や研修で多少修正出来る事があっても、本質的な才能を変える事は出来ないとの考えです。そうであるなら、本人が才能を発揮できる仕事に取り組む事が出来るように采配するのがマネージャーの仕事だと書かれています。

本書ではレストランの例が出ていましたが、レストランのウェイトレスとして優秀であった女性を、他のウェイトレスの指導係としてリーダに昇進させたのだがまるでうまくいかず、本人は退職を考えていた。その女性はお客様と接客する際にお客様の細かい要望を雰囲気で察知出来る才能があったからこそウェイトレスとして一流であったが、そのような才能のない部下や後輩を教え込む忍耐力や寛大さは欠けていたのです。

結果彼女は元のウェイトレスの仕事に戻りいきいきと働く事が出来たとの事だったのです。本書では従業員の定着率の悪い職場の主要因は会社の姿勢でも報酬でもなく、直接の上司であるマネージャーへの不満だと書かれています。優れたマネージャーが注意している点は、色々書かれていますが私が特に注目したのは、部下の一人一人とコミュニケーションの時間を取るのに注力している点です。

部下が何を目標としているのか、将来のキャリアをどう考えているのか、どのような形で賞賛されると嬉しいのかをヒアリングし、個別にメモに落としている例も書かれていました。部下個人に対して並々ならぬ関心を持つからこそ、部下の才能を見極め、最適な人材配置が出来るのではないかと思います。

ただ一方で部下個人個人とコミュニケーションをとる事は必要だが、全ての部下に均等に時間を割く必要はない。最も時間を割くべきは、部下の中でも優秀な人間であり、能力の足りない部下に平均的な仕事をさせるのに時間を割くのではなく、部下の中でも優秀な人間と密にコミュニケーションを取るべきだと書いています。

何故なら、20対80の法則でもある通りどんな組織でも2割の優秀な人間が組織の8割の実績に関与しているものであり、優秀な人材の流出は組織全体にダイレクトに影響する。コミュニケーションを怠る等、優秀な方の人間を引きとめる事に時間を注がない事は、優れたマネージャーとしてあってはならない事だと述べています。

この本を読みますと、優れたマネージャーとして評価されるのはマネージャーと呼ばれる人全体の1割も存在しないのではないかと思います。逆に言いまと優れたマネージャーの率いる組織は、通常の何倍の実績を残す事が出来るかもしれません。

中田はこの本を読んで、自分は優れたマネージャーになりたいと思いました。皆様はどう思われたでしょうか・・・