価値探究の道

投資や競馬の世界で儲けを追求するに世間で思われている価値と実際の価値のギャップを見つけること。そんな思いで書かれたブログです

わざと未完の資料を出す

中田の今の仕事は、会議資料を初めとした資料を作る事が多いです。資料の提出先が役員クラスの場合、大概の資料は直属の上司にチェックをしてもらいさらに上の上司に見せる形が多いのですが、上司によっては資料に対する反応が異なる事に惑われる方も多いのではないかと思います。

部下の作った資料にほとんど修正せずにそのまま上に提出する人もいますし、部下の作った最初の資料の原型を残さない程修正をかける人もいます。上司のスタイルにより異なりますし、提出物に対してちゃんと指示を残した形にしてくれていますのでいいと思うのですが、上司のタイプとして一番やっかいなのは、あれやこれや難癖をつけて再提出を命ずるタイプの方だと思います。

中田のかつて仕えた上司の方にもこのようなタイプの人がいました。その方のスタイルは資料に対して明確な指示を出すのではなく、○○について対策を出せ、○○について資料を出せという内容で、まずは部下に考えさせる方でした。

ただそういうスタイルでしますと、上司より情報量の少ない部下の最初の提案はまと外れな場合も多いです。最初の資料は、ここが足りない、このようなケースに対応出来ないと言った点を指摘され、資料のやり直しを命じられる。

その後修正した内容にも注文が入り、最終的に上司のOKが出る迄最低4~5回は確認を受ける必要がありました。その上司は出張の多い人でしたので、打ち合わせの時間を確保するのも大変でした。

ある時上司から当時の問題事項に対して解決案を作成しろと言われた際に、資料作成に何日も時間をかけるのは無駄と思い、中田は上司から指示のおりたテーマ―についてかなり入念な下調べを行いました。各担当者からヒアリングをして、これなら解決策として最善だろと思った案を資料にまとめました。

ところが上司の反応はよくなかったのです。しかも、起こる事が滅多に想定できない事態に対応出来ない点を指摘されたのですが、そのようなレアケースまで完全にカバーしてはコストがかさむ一方でかけたコスト程の効果は期待出来ません。

その意見は述べたのですが、中田の意見は却下され資料の再作成を命じられたのです。ところが、上司の言われた点を含んだ修正案を作成した所、コストがかかる点をやはり問題視され、最終的に上司が解決案として採ったのは最初中田が提案した案に近い内容だったのです。

中田は正直最初に提出した案でOKすれば、時間の無駄もなくなるのにと思いました。ただ、その後に似たようなケースがあり中田は分かりました。
要はその上司は、部下の持ってきた第一案は受け入れない方針を取る人だったのです。

多分部下が提出する案を基に自分の考えも整理されていたんだと思います。ただ、最初の提案は拒絶されると分かっているのであればこちらも最初から完成度の高い資料を出す必要はないと思い、中田はその上司に1回目に提出する資料はわざと未完成の、もっというなら絶対上司が突っ込んでくる要素を考慮してない内容にわざとしたのです。

そんな資料を出すと当然1回目の資料は拒絶されます。ただ指摘される点は当然中田も考えていることでするで、2回目の資料を作成する時にかける労力は大幅に減ります。上司が資料のOkを出すのはやはり3回目位の資料なので、資料の作成回数は変わらないのですが、わざと上司の反論を聞き出す形を取ったので、資料作成のストレスは大幅に緩和したのです。

上記の作戦を取る事で、中田はその上司に対する資料作成のストレスを大幅に減らす事が出来ました。皆様の中でも、資料に対して何か文句をつけてくる上司に対しては、わざと未完の資料を出すのも手のひとつだと思います。勿論未完成といいつつ白紙に近い資料を提出するのは論外ですが・・・