価値探究の道

投資や競馬の世界で儲けを追求するに世間で思われている価値と実際の価値のギャップを見つけること。そんな思いで書かれたブログです

やりたいことだけできると考えるのは幻想

中田の部の同僚の一人が最近勤務態度で問題を見せるようになりました。ささいな事で他の同僚と揉めるようになりましたし、普段のやり取りも若干喧嘩腰の姿勢を見せます。

何やらストレスを溜めている様子は明らかですので、一度ランチに連れて行って、それとなしにその話を聞いていました。その場で言われた事は業務割り振りに対する不満でした。

中田の部署では先月経費上の問題でとある業務委託をお願いしていた業者さんとの契約を打ち切りました。その業者さんがやっていた仕事の一部をその問題の同僚の人が受け持つ事になったのですが、かなり面倒な業務の上に引き継ぎも充分でなかったようで、表面化はしていないが色々トラブルを抱えているようなのです。

中田は同僚の状況には同情しつつも、経費に細かくなっているのは全社的な傾向なのでこの流れはそう簡単に変えられないと言ったのですがそれに対してその同僚の人が

「私はこんな仕事がしたくてこの部署に来たのではありません」と文句を言ったのです。

中田はこの発言はよくないなと思いました。そもそも仕事においてやりたい仕事だけが出来ると考えるのは幻想にすぎません。ましてやサラリーマンは会社から与えられた役割をこなすのが、まず第一な筈です。

本人の適性と業務が一致するのが望ましい状況ですし、マネージャとしてはそういう仕事の割り振りを考えるのべきなのは確かですが、そうは理想通り事は運びません。

組織が必要としている仕事であれば、誰かがやらなくてはならず、それを上司から任されたのであれば全力でそれに取り組むべきだと思うのです。

またその同僚の言葉の端々には外注業者にまかしていたような仕事を自分がする事に抵抗を持っている様子が明らかに感じられました。そのような妙な正社員である事にプライドを持っている事も、彼の不満を増長させているように思いました。

仕事でやりたい事だけを出来ると考えるのは幻想にすぎません。仮にやりたい仕事が出来ないからといって、自分で事業を立ち上げたとしても会社を経営する以上何かしら自分のでやりたくない仕事をする可能性は高いと思います。

それに比べればサラリーマンのやりたくない仕事などはたかがしれていると思います。中田はその同僚にはそこまで厳しい事を言いませんでしたが、この状況から逃げるか、立ち向かうかで今後の彼のサラリーマン人生は決まってくるので大いに期待したいと考えています。