価値探究の道

投資や競馬の世界で儲けを追求するに世間で思われている価値と実際の価値のギャップを見つけること。そんな思いで書かれたブログです

「必ず頭角を現す社員」45のルール

少し前に出版された、元トリンプ日本法人の社長吉越氏の本です。

「必ず頭角を現す社員」45のルール

残業の廃止や頑張るタイムと言った、徹底的な効率性を求める氏の書かれた本ですので、読む前にはそういった事が中心に書かれているかと思いましたが、他の考えについてもかなり色々な事が書かれていましたが、まとめると本書で語りたい事は以下の二点だと思いました。

①プロ意識を持て。サラリーマン根性は捨てろ
②部下は上司の指示に徹底的に従う。上司は部下にまかせ、細かい点をチェックしない

頭角を現す社員の考え方のひとつは、経営者のようなプロ意識を持っている点です。ゴタゴタ議論をする前に失敗を恐れずにまず事を始める。始めたのであれば結果に拘る。全ての基準は会社の為に正しい事をしているかで考える。変化の激しい現代であるゆえに新しいものに取り組む、これはプロとして生きる上で必須の考えと書かれていました。

プロは自分で学ぶものであり、若手の多くが先輩や会社から当然のように教えてもらおうとしている姿勢は嘆かわしいし、そう思っているうちは成長しないと迄断言されています。

後印象的であったのは、職場の環境や上司がもの分かりがよいか、部下が優秀であるかどうかはそれは「与件」であり、その「与件」の範囲内で結果を出すのがプロであり、ましてや「与件」を理由に簡単に職を変えたりする事はプロのすべき事でないと断言されていました。

また氏は上司の命令に原則従うのが部下の姿勢であると、ともすると上からの命令が絶対であるといった軍隊的なマネジメントをよしとされている風潮もあります。ただこの考えの裏には上司は出来る部下には仕事は任すものであり、部下の仕事をあらゆることをチェックする「報連相」上司は仕事の出来ない上司の典型と言い切っており、トップダウンで物事を行う事が組織のあるべき姿とも書かれていますので、そのような仕事の仕方を進める経営者であった点は理解しておかないといけないと思います。

ただトップダウンの経営者と言いますと、豪放な経営者を思い浮かべがちですが、氏の実態はかなり慎重な方にも思います。日々の日常で判断を的確にしていれば、思い切った決断等する必要はなく、決断を行わなくてはいけない状況に追い込まれたこと事態が日々の業務の怠慢の結果とも書かれてますし。「客観的に見て、絶対に大失敗にしないと分かるまで判断に判断を重ねろ」とも書かれています。

要は経営者の思考とはこういった複合的な考えを同時に持つべきであり、サラリーマンとして頭角を出すには自分自身の仕事、引いては自分の人生に責任を持つ姿勢が重要なのだと感じられた本でした。

「必ず頭角を現す社員」45のルール