価値探究の道

投資や競馬の世界で儲けを追求するに世間で思われている価値と実際の価値のギャップを見つけること。そんな思いで書かれたブログです

量より質の仕事

先日たまたま見ていた夜のトーク番組でこんな話がありました。リスナーからの投稿で「テレビとかを見ていますと、患者が行列待ちであるとうい医者が取材を受けたりしますが、テレビの取材を受けている暇があるなら、どうして順番を待っている患者の診察をしてあげないのか理解できない」との質問を寄せられていました。

恐らくリスナーの人方は、テレビの取材を受けるのは宣伝活動にしか過ぎず、今でも行列待ちの状態であるのに何故それ以上の宣伝活動をするのかという点に疑問を持っていたと思うのですが、それに対するタレントの回答が「馬鹿じゃないの一言だったのです」。

彼が言うには「取材を受けたのは宣伝活動以上に、難病の治療方法等が分からずに困っている人に伝えたいとの考えがないのが貧相な発想。そもそも難手術をするような医師は手術のクオリティを維持するために、患者の数を制限しなくてはならない発想が思い浮かばないのが馬鹿ではないかと思う」と言った回答をしたのです。

その回答を聞いてとある以前ある天才脳外科医を取材した本を思い出しました。その医師の方は脳外科手術の世界的な大家と言われる人で日本人ながらアメリカで実績が認められ、今や日本とアメリカをとんぼ返りしながら毎日手術をこなす日々を過ごされているようです。

日本にいる時は、午前10時~夜に至るまで手術を行い。その間に手術予定の患者への説明や、手術を終えた患者への術後の説明などをこなしている為休む暇もないそうです。

ただこのハードスケジュールでも予約待ちの患者は鈴なりになっているのでが、脳外科手術のような集中力を要する作業でかつ、事前の検査も徹底的に行う方針の医師ですので、手術の数はある程度制限せざる得ないとのことなのです。

仕事においても単純な労働の世界では、仕事のした時間×単価で給料の全体額が決まってしまうのは確かです。サラリーマンにおいては多くの人が働いた時間に応じた給料を貰っているのが大半かと思います。

ただ先程お話しした医師のように、仕事のクオリティが勝負をしている人はそこが異なります。他人とは違った技術を持っていますので、仕事量で勝負する必要はありませんし、その先生しか手術の出来ない難病でありましたら、それ相応の報酬をいただく事にも抵抗はないと思います。

私はプロの仕事は、「量」より「質」で勝負する人ではないかと思います。いつまでも働いた時間でお金を貰う発想でいては、1日が24時間より増える事はありませんから、いずれすぐに限界がやってきます。

冒頭のテレビ番組で質問をされたリスナーの方は、やはり「量より質で勝負をする」との発想がないのではないかと思いました。たしかに仕事量をこなさずに質がいきなり向上する事はありませんが、いつまでも仕事の量を稼ぐ事ばかり考えていては、先が見えなくなってくるのも確かではないかと思った中田でありました。