価値探究の道

投資や競馬の世界で儲けを追求するに世間で思われている価値と実際の価値のギャップを見つけること。そんな思いで書かれたブログです

【書評】『会社の老化は止められない』

先日こちらの本を読みました
私自身が結構な大会社に勤めている人間ですが、本書で書かれているアンチイノペーターがのさばり、思考停止や減点主義、増える一方のコンプライアンス面のチェックなど、大会社の困った実態があまりにも鮮やかに表現されていますので読んでいて笑いそうになりました。

逆に言いますと、今日本の多くの大企業が直面しているのが会社が老化している実態であり、老化を食い止めるのが改革者である「イノペーター」であるのですが、大会社でイノペーターになると孤独な闘いを避けざる得ないのは何ともやりきれない状況ですが、これは中田の会社を見ても事実なのだと思います。

本書ではイノベーターが大会社で生き残る道として3つの処方箋が書かれています。一つ目は「我慢して丸くなる」こと。二つ目は「飛ばされる事」(ただし、飛ばされた先で成功しても、ゆめゆめ本流に戻ろうと思うなと書かれています)。三つ目は「外へ飛び立つ」事が書かれています。

特に「飛ばされる事」は通常サラリーマンとしては負けと取られる事態ですが、イノペーターにとってはむしろ好都合の事態と考えた方がいいとは、現実を踏まえた内容に思えました。

会社の老化が止められないのであれば、個人の生き方を老人に合わせるのか、そうでない道を選ぶのか、日本人に問われているのが今だとの思いがしました。筆者の他の本も読んでみたいと思いました。