価値探究の道

投資や競馬の世界で儲けを追求するに世間で思われている価値と実際の価値のギャップを見つけること。そんな思いで書かれたブログです

【書評】アナロジー思考

先日こちらの本を読みました。
以前「アイデアの作り方」という本を良書としてお勧めしましたが、それに書かれていた方法を科学的に解説した本です。

「アナロジー」とは全く関係のない世界から借りてくる事を意味していて、
借りてくる先の距離が遠ければ遠いほど斬新なアイデアになるのです。

自分の属している業界が特殊な業界だとは思わず、他の業界との類似点を探す。それも表面的な類似点ではなく、構造的な類似点を探す事がアナロジーのコツとのことです。

例えばその業界のビジネスが固定費型か変動費型かを捉える例が本書ではありました。固定費型のビジネスは固定費の基となっている設備の稼働率を上げる事が鍵となるとのことです。ホテルが空室を少なくし稼働率を上げる事が戦略である点は、建物を人に応用したらソフト業界のような人が固定費となっている業界でも通用する考えはあるとのことです。

このように構造的に似ている点を発見し、進んだ業界からの知恵を借りてくるのがアナロジーの知恵なのです。規制業界であった金融業界が規制緩和でインターネットによる価格競争が一変に進んだ点も、現在の大規制産業である農業の規制が緩んだら何が起こるかの参考になるかと考えるのと同じ発想であるといえます。

このアナロジーによる発想を豊かにするには「遊び」も重要だと述べています。何故なら、遠くから借りれば借りる程有効であるアナロジーの考え方においては、仕事の対極である遊びから有用なものが借りれれば効果的ですし、逆に遊びの際に仕事から学んだ事を活用できれば、それはそれで面白いわけです。

実践するのは簡単ではありませんが、アイデアマンになるには即効性のない本を読んだり、「遊び」が有効である点はこれまで色々な本で読んだ事はありますが、その点に新たな気付き何かをが得られた点からも、読んで役に立つ本であると思いました。