価値探究の道

投資や競馬の世界で儲けを追求するに世間で思われている価値と実際の価値のギャップを見つけること。そんな思いで書かれたブログです

今大丈夫だからいいのですか?

アベノミクスに対する評価に関する本をここしばらく読んでみました。中田はどちらかと言えば反対派に近い考えを持っていましたので、賛成派や中立派の意見を読んでみました。

それらの意見を踏まえても「アベノミクス」は現段階では好結果が出ているが、今後この状況が継続できるかどうかは不透明としか思えません。

賛成派によくある意見としては、「第一の矢」「第二の矢」で成果が出たのだから「第三の矢」である成長戦略でもきっと成果が残せると述べている人もいますが、金融政策でうまくいったから成長戦略でもうまくいくだろうと期待は出来ても、期待だけでものを語ってはいけません。

また今回の安部政権のようにインフレ目標であるインフレターゲット導入する方法は世界的に進められており、これまでの日銀が拘って取らなかった手法をようやく取る事が出来た手腕を評価する声もありますが、これにも疑問が残ります。

確かにインフレターゲットの設定や自国の通貨の価値を切り下げる事は米国を初め多くの国が行っており、現時点で成果を上げているとは言えますが、それが永続するとは思えないのです。

中田が思いだすのはリーマンショックの頃です。今でこそあの時のアメリカの不動産価格は異常であったと述べる事は出来ますが、リーマンショック前に、サブプライムローン低所得者層が住宅ローンを組めている事を問題にしたニュースや記事を少なくとも中田は見た事がありません。

むしろあの頃は、銀行から融資を引き出し不動産投資をする人間が成功者であり、それをしない人間はチャンスをみすみす見過ごすような人間だとの見方もありました。

またFRBグリーンスパン議長がリーマンの1年以上前から、不動産価格の高騰は異常との警告を発していたのを覚えています。最初はマスコミも議長の発言を気にする節はありましたが、その後も不動産価格が好調の結果、誰も気にしなくなり、丁度1年ほど後にリーマンショックによる下落は始まったのです。

そのような見方から、中田自身はアベノミクスは現時点では好結果を残していますが、今結果が出ているからと言ってその成功がこれからも続くとみなすのは大間違いだと思います。

特に株高は露骨に金融緩和による影響が強いと思っていますので、膨張させた金融緩和の後始末をどうつけるのか、併せて金融緩和の財源が国債である以上、日本特有の国債金利の上昇による債券の下落で郵貯等の金融機関のバランスシートが大きく痛む事の悪影響をどう回避するのかに具体的な策を提示出来ない現状はとても成功と認める事は出来ません。

最近思うのは、投資の世界では先程述べたサブプライムローンの実態にしろ渦中にいる際はそれらに関する情報は意外な程流れてこないものです。ニュースが少ないのか、意図的に隠されているかは分かりませんが、核となる情報が少ない以上、得られる情報を基に推察するしかありません。

勿論推察である以上、思いこみから外れる事はよくある事かもしれませんが、すくなくとも自分の頭で考えた以上間違えた時に修正は聞く筈です。 メディアから流される情報を鵜飲みにするだけではどこかで痛い目にあうのが落ちだと思います。アベノミクスがうまくいくのか、うまくいかなかった場合どのような対策を取るべきか、経済が落ち着いている今の状況だからこそ、考えるのが重要なのではないかと中田には思えるのです。