価値探究の道

投資や競馬の世界で儲けを追求するに世間で思われている価値と実際の価値のギャップを見つけること。そんな思いで書かれたブログです

【書評】俺のイタリアン・俺のフレンチ

先日読んだ本です

俺のイタリアン・俺のフレンチ

今大人気の「俺の○○」シリ-ズの店ですが、正直この本を読むまではBOOKオフの創業者の方が作られた会社である事を知りませんでした。テレビの取材がよくある店ですので、原価率が高く、立ち飲み店故の回転率の高さがセ-ルスポイントの会社であることは知っていましたが、そんな表面上のビジネスモデル解説では理解できない、創業者の熱い思いがよく分かりました。

創業者の方が徹底的にこだわっているのは自社の強みと、社会全体に役に立ちたいとの「利他」の精神です。原価率を高め食材にジャブジャブお金をかけるのは勿論戦略の一つではありますが、もうひとつの思いとして原価率の事を経営者にうるさく言われるが故にオリジナルの料理を作ることの出来ない一流シェフの苦境を救いたいとの思いがあったからだと思いました。

マスコミで「俺の○○」のシェフが一流料亭やミシュランの星を獲得しているようなレストランのシェフであることに驚きましが、それらの人が一流店に勤めたプライドを捨ててでも、立ち飲み店のシェフをやる理由は自分の好きなようにやらしてくれる事、裁量権があるからではないかと思います。

この創業者の方も京セラの稲盛会長の影響を受けている方で、破綻しかけの状態から立ち直ったJAL、新進気鋭の飲食店と全く違うように見える両社が、稲盛会長の企業哲学の影響を少なからず受けているのも驚きでした。まず社員の事を考える、それから企業が何のために存在すべきかを考える。

経営者が自己の利益を最大化する事がメインのアメリカ流経営に毒されたきた感がある日本企業においては、稲盛流の経営哲学を本当に見直すべきではないかと強く思うようになりました。

俺のイタリアン・俺のフレンチ