価値探究の道

投資や競馬の世界で儲けを追求するに世間で思われている価値と実際の価値のギャップを見つけること。そんな思いで書かれたブログです

累犯障害者

先週こちらの本を読みました

日本には競争社会という言葉を嫌う人が多くいます。小泉内閣以降「競争社会=格差社会」というイメージに捉われる方が多くなって、競争という言葉を使うだけで、競争社会>格差社会>弱いものいじめ の連想を持ち毛嫌いする人が多いように思えます。

ただ中田の考えは、人間は自分が優れた存在でありたいという心は常に持っているものであり、自信を切磋琢磨する為の競争は必要なものと思います。ただそれは競争を出来る条件が整った人である事が前提で、前提条件が整っていない人には、社会全体で保護する必要があると考えています。

今回の本を読んで感じたのは、先程書いた前提条件である条件が整っていない知的障害者の方に対する、セーフティネットが日本では全く働いていないことが分かり愕然としました。

ただその事実が広く伝わらない現実の要因のひとつとして、マスコミが障害者の起こした事件に対して報道する事に及び腰になっている点があると書かれているのを見まして、またひとつ日本のマスコミを信頼できない点が増えた感を受けました。

事件の容疑者が障害者と点を報道しますと、障害者への差別のような意味合いでマスコミを非難する個人や団体は確かに存在するは間違いありません。ただそれは報道の仕方を、障害者だから悪いといった構図にするのではなく、何故障害者の人が犯罪を犯さざるえない環境になったのか、本書のように日本においては、障害者に対するセーフティネットがまともに機能していない遠因や要因をちゃんと解析すれば立派な主張になり、ここまで追求した内容で報道を行えば場違いな非難を行う人は大きく減少すると思います。

そうした労力や表面的な批判を恐れ、問題そのものを隠蔽してしまうマスコミの姿勢は、責任感を放棄したその場しのぎの対応にすぎない事であり、もともとマスコミの報道姿勢に感じていた疑問を本書を読み更に深めるきっかけになりました。

マスコミの批判論はさておき、本書に書かれた障害者の問題に対して今後中田が何か出来ると言いますと、正直何も出来ないと思います。中田にはこの問題を根本解決出来る知識も資力もありませんので、問題の根本解決を図る何かをする事は出来ません。

そうなりますと、この問題に関して何か出来る事をするのがまず第一歩と思いました。例えば、選挙の際に障害者のセーフティネットの強化を訴える政党や政治家がいれば(いるのでしたらですが)そこに投票を行うのもひとつでしょう。今までそういう視点で政治を見る事が出来ませんでしたので、新たな視点を設けれた事は大きなプラスと思います。

原発問題にしろ今回の件にしろ自分ではどうしようもない大きな問題の存在を知った時は、無力感は感じますが一隅を照らす意味で自分に今出来る事はやりたいそんな気持ちになりました。


累犯障害者