価値探究の道

投資や競馬の世界で儲けを追求するに世間で思われている価値と実際の価値のギャップを見つけること。そんな思いで書かれたブログです

半沢直樹が何故流行したのか

7月から放送されていた日曜ドラマ「半沢直樹」の最終回の視聴率が40%を越えたとのニュ-スが流れました。中田も3回目位から録画して毎週見ていましたが、確かに面白いと感じました。このドラマがここまで世間に受けた理由は色々あると思います。主人公の目の前に明らかに悪と分かる上司が存在して、組織の中では明らかに格下の筈の半沢が苦難と戦いながらも最後には勝つ、水戸黄門並みの「勧善懲悪」が受けたとの見方も理解出来るかと思います。

ただ、中田自身は半沢直樹の「強さ」と「優しさ」こそが多くのサラリ-マンの憧れたからではないかと思います。サラリ-マンの多くの方なら分かると思いますが、サラリ-マン生活において自分の人事権を握る直接の上司と敵対する事は大変なことです。家族や自分の生活の運命を左右する人事件を握られているからこそ、サラリ-マンは理不尽な事でも上司に従わなければならない事があります。

それを不正を見つけたら上司と言えども容赦しない。自分自身の身を顧みず、仕事の本質や不正を追及する自身の姿勢を断固として譲らない姿勢を見せています。これは半沢直樹の「強さ」の部分です。

反面、立場の弱いものに対しては驚く程の「優しさ」を見せます。最初の敵である支店長を追い詰め、取引を行う際に自分を理想のポジションにつけると同時に、自分の部下も全員希望するポストに異動させるように交渉しています。また味方と思った同期の友人が、自分の敵である上司を追い詰める絶好の材料を持ちながら、それを自身の人事異動と引き換えに渡してしまうシ-ンなど、並みの人間であれば裏切り者として、その友人を敵扱いしかねない場面です。

しかし、主人公の半沢はその友人の不遇の状況を長年見ていたので、その裏切りとも言える行為を許し、自分の所に戻るのを歓迎する寛大さを見せたのです。「倍返し」が決め台詞のドラマではありましたが、もし半沢がこの友人に対して倍返しで復讐を行っていたのであれば、ドラマの中身は全く違ったものになったのではないかと思います。古い言葉でいいますと「弱きを助け、強きを挫く」徹底した姿勢がドラマが評価された最大の理由ではないかと思います。

ただ逆に言いますと、こうした半沢像が世間に受けるということは、サラリ-マンの世界でこうした人物が少なくなっているからではないでしょうか。世の中で評価されるのは常に少数派の人間です。半沢直樹がテレビ局が予想しないほど評価された事をドラマが面白かったからで終わるのでなく、半沢直樹のような人間が世に少なくなったからだとすると、私も半沢のようになったらいいのかもしれません。ただ、相当心構えがいるとは思いますけど・・・