価値探究の道

投資や競馬の世界で儲けを追求するに世間で思われている価値と実際の価値のギャップを見つけること。そんな思いで書かれたブログです

【書評】金持ち父さん・貧乏父さん

最早古典の領域に近い本ですが、先日機会があって読み直してみました
ある方からは人生を変えたバイブル扱いされる本で、一方で拝金主義の元凶になったアンチ扱いされる本ですが、それはいい意味で本書の内容が衝撃的だからではないかと思います。

ただ本書で書かれている事は二点だと思います。

①フィナンシャルインテリジェンスを身に付けろ。お金に苦労する一番の要因は「知らないこと」
人間で一番大事なものは「頭脳」。一番大切な資産自分の頭に投資することが肝心

この二点にまとめれば、やるやらないは別にして誰も反対する人はいないのではかと思います。ところがこれが「お金」や「不動産投資」や筆者自身がしている「キャッシュフロ-」のゲ-ムが絡みだすと途端に好き嫌いが始まりますので不思議なものです。

作者のロバ-ト・キヨサキ氏は確かに後の著作を見ても言いたい事はズバズバと歯に衣を着せず言うタイプの人のように思えます。(コミュニケ-ションの達人ではないと思います)。そして言われることがイチイチ当たっているので感情的に受け入れられない人もいるように思えます。

ただこの本で語られている本質を理解するには、そのあたりの作者が好きだの嫌いだの、物の書き方が気に喰わないだの、不動産投資は嫌いだのといった感情面の反応は一度なくすべきだと思います。

私も今回読み直して感じたのですが、ロバ-ト氏は金持ち父さんの言葉を借りて「恐怖や欲望をお金が癒してくれると人は思っているかもしれないが、お金にそんな力はない」と断言しています。続いて「恐怖と欲望を大きくするは無知だ。私たち誰もが持っている強力な資産は「頭脳」をうまく使うようにとも書かれています。

この本を読んで筆者を拝金主義者だとの評価を残す人はそのあたりまでちゃんと本書を読んでいないのではないかと思います。今回読み直して感じるのは、ロバ-ト氏は極めて「学ぶ」ことを重視する人で、どうせ学ぶのであれば効果のあるものを学びましょうとの事を提示した人と捉えればよいかと思います。

この本を読んだ人が不動産投資を始めたのは確かですし、リ-マンショック等でむしろ投資に失敗した人の方が多かったのは確かではあります。ただ、それは正しいタイミングで投資を始めたかどうかを問われるべきであり本書にその責任の一端を背負わすのはあまりに「他責」の考え方に思います。

本書の第一章に書かれた「人間には二種類ある、人生につつきまわされて黙っている人と怒ってつつきかえす人だ。でもつつきかえす相手を大概間違える。人生が自分をつついているとは知らないんだな」という言葉、多くの人が自戒の意味を込めて学ぶべきことだと思います。

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