価値探究の道

投資や競馬の世界で儲けを追求するに世間で思われている価値と実際の価値のギャップを見つけること。そんな思いで書かれたブログです

学びに忍耐力と集中力はどちらが大事か

中田は去年の秋に観音経を覚えようと試みました。最近物覚えが悪くなり、ある本で読んだ脳のトレ-ニングを行おうと思ったのがきっかけであったことと、友人の元医者の方で記憶力がいいなと思えた人から記憶力を維持するコツを聞いたのがきっかけでした。

観音経を一度くらい目にされた方は多いと思いますが、何が書いてあるのか分からないと思われる方が大半ではないかと思います。事実最初の中田もそうでした。ただ友人から言葉が頭に入らないうちは決して覚えることが出来ないので最初は意味が分からなくてもまず言葉を覚えろということでした。

ですから最初の1ヶ月位は全く意味が分からなかったのですが観音経の解説本を買って音読することに努めました。1ヶ月くらい経ちますと最初は意味不明に思えた観音経の構成が分かってきます。前半は「念彼観音力」を中心に同じようなフレ-ズの繰り返しだと分かりましたし、解説本を読むことで朧げながら意味が分かってきました。

そしてその後次の段階である記憶の定着の段階に入りました。その段階で友人に言われたのはこれでいいのかと思えるくらいゆっくりとしたペ-スでいいから毎日続けろということでした。多くの人は一度に多くのことを記憶しようとし過ぎで、結局覚えきれずに挫折していきます。

人間の脳は繰り返しやるとこで記憶を定着させていくものなので、継続力が大事でありその為には継続力を失わせるような負担のかかる量のことを覚えるべきではないとのことでしたのでそのアドバイスに従いました。

中田は二日間で1行を覚えるというかなりゆっくりとしたペ-スで覚え始めました。だだ実際にしてみて分かったのはそんなゆっくりとしたペ-スでも以外と覚えていないもので、一行一行確実に最初から言えるようになるのは結構時間がかかりました。

中田が変化を感じたのは取組後一月経った頃でした。観音経の偈文は約30行程あるのですが、1ヶ月経った頃に丁度半分終わった分量になり、後これをもう一ヶ月繰り返せば理屈上覚えきれると思いましたら最初は終わりが見えないと思えた取り組みが急に勝ち目のあるものに思えてきたのです。

実際観音経の後半部分は前半のような型の決まった文言ではありませんでしたので、前半ほど簡単にはいきませんでしたが1ヶ月半後には後半部分も覚えきることが出来、都合3ヶ月半かかりましたが今では観音経を全て暗唱出来るようになったのです。

この取り組みをしている時に丁度本多静六氏の本を読みました。氏は明治時代ドイツの博士号をドイツ人でも3年はかかると言われた過程をわずか2年で終わらせた実績があるのですが、その時に取り組んだ勉強方法が、教科書を丸ごと一冊時間をかけて覚えていくという手法でした。

最初読んだ時にはまるで理解できなかったドイツ語の専門書も毎日呆れるくらい繰り返す読むことでついには教科書を隅から隅まで覚えてしまい、博士課程で難関と言われた口頭試問にも充分対応できたという内容でした。

中田の若いころの勉強はいわゆる一夜漬けスタイルで継続力より集中力を使って勉強していたのですが今回の件を通じてそのことが間違いであると気づきました。学びや勉強に必要なのはあくまでも継続力や忍耐力であって、少ない時間で成果を焦ってはいけないのではないか・・・。

考えてみれば試験対策用に一夜漬けで覚えたことは今では見事なくらい思い出せません。今回の経験を通じては勉強に必要なのは集中力ではなく忍耐力と分かりましたことは、中年から老年を迎える中田の勉強方法に大きな指針を残せたと今では感じています。

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