価値探究の道

投資や競馬の世界で儲けを追求するに世間で思われている価値と実際の価値のギャップを見つけること。そんな思いで書かれたブログです

株の含み益をいかに使うべきか?

野村証券によると、事業法人の保有株式含み益は2013年3月末時点で11兆1000億円となり、前年比で60.2%の増加となったそうです。NHKのニュースでこの話が取り上げられていた際に、企業はこの株の含み益をどう使うかとの論調になっていたのですが、中田はその内容に大変な違和感を持ちました。
何故なら

含み益はあくまで「含み」であって、いつ減るか分からないものであるからです

株取引を少しでもやった人なら分かりますが、株式売買で利益が確定するのはあくまで売り注文を出し現金化した時であり、含み益は単なる一時的な状態でしかないのです。中田が営業をしていたITバブルの時も一時期含み益が数千万円になったお客様もいましたが、結局高値で株を売却する事が出来ず数年で含み益の状態から含み損の状態になった方もいました。

要は含み益とはそれ程あてになるようなものでないので含み益の活用を考えるのはまさしく絵に書いた餅だと思います。しかもそのニュースが流れた際に、含み益を従業員に還元するような論調もありましたがそれは株投資をしたことのない人の論調にしか思えませんでした。

株や不動産等に含み益が生じると消費が活発化するのは確かです。サブプライムローンが破綻する前のアメリカも不動産の値上がりによる含み益が消費の源になっていた時期もありましたし、中国の富裕層の旺盛な消費も不動産の値上がりが大きく貢献しているとの話もあります。

ただリーマンショック以降のアメリカの不動産下落とそれに伴う不況により含み益をあてにした消費がいかに脆いものであるかは明らかになったのは確かではないでしょうか?

安部政権に移行して以降の株高・円安の影響で消費心理は大幅に改善しています。消費が株式売却による実現益で増えているのであればよいのですが、含み益が増えた事により心理的にゆとりが出た事によるものであればこの消費の改善は株高と共に終わりかねない腰の弱さを持っている点は充分留意すべきではないかと中田は思います。