価値探究の道

投資や競馬の世界で儲けを追求するに世間で思われている価値と実際の価値のギャップを見つけること。そんな思いで書かれたブログです

黒田日銀総裁の金融緩和策

黒田日銀新総裁が大胆な金融緩和策を打ち出しました。金融緩和策の直後に株価が暴騰、為替も円安が進行しました。国債の10年物金利も一時0.3%台に上昇、同じに0.6%台下落するなど市場も大幅に反応しました。

黒田発言によって起こった現象事態は現在の日本経済にとって望ましい事である事は間違いないのですが、中田個人の感想としては「ああここまでやってしまったか」という感です。

黒田総裁自身が「消費者物価指数2%を達成するためにやれる事は全てやる」とおっしゃられているように、確かに消費者物価指数2%を達成する為であれば確かだと思いますが、逆に言いますとその目標を達成すれば本当に日本経済にプラスになるかどうかは中田は疑問を感じます。

安部内閣はここ直近のデフレを日本不振の要因とみなし、デフレ克服の目標として先程の消費者物価指数2%の目標を掲げました。日本不振のひとつの要因が長期に及んだデフレである事は中田も否定しませんが、最近の論調として怖いのはデフレさえ克服すれば全てが解決するような雰囲気があるからです。

デフレさえ克服すれば全てが解決するのであれば、黒田総裁のおっしゃる通り克服の為にあらゆる手段を取ればいいのかもしれません。ただ中田はそんな単純な問題でないと思います。日本不振の問題は生産人口の逓減が続いている事も理由のひとつですし、支出が常に収入を上回る割には国家予算が効果的に使用できていない点もひとつです。

硬直的な官僚機構もひとつですし、日本企業自身が国際的な競争力を失っている事も理由としてあげられる筈です。そのあたりを無視して、デフレ克服=日本経済にプラスと一元論で語られること事態が非常に不安を感じます。

以前のブログでも書きましたが、今回の黒田総裁が行ったような過剰流動性の供給はかつてのITバブルの際にも実施しましたが、ご存知の通り資金供給が止まった瞬間にITバブルは崩壊しました。今回の黒田総裁の場合は想像以上に気合いの入った(ある意味無謀とも言える)金融緩和を行うと宣言しましたので、しばらく資産インフレは続くとは思います。

ただ、日銀が金融緩和を行うといってもその資金はどこから作るのでしょう。日本銀行券は日銀が作成しているのは確かですが、あくまで国としての日本に信頼があるからこそ日本銀行券の流通しているわけですので、国家の信頼自体がなくなったらピンチに陥る可能性は否定できまないと思います。

中田は黒田総裁は与えられた目標を達成する為のプレイヤーとしては適切かと思います。ただその目標が本当に適切なのかを判断するリーダーとしての能力には疑問を感じます。 リーダたる安部首相が最終的にどういうプロセスでこの緊急措置を収めるつもりでいるのかは、まだ分かりません。
安部政権の施策は、目先の株高や円安に浮かれないだけの冷静さを持ってみるべきではないかと改めて感じてた中田でありました。