価値探究の道

投資や競馬の世界で儲けを追求するに世間で思われている価値と実際の価値のギャップを見つけること。そんな思いで書かれたブログです

賢人は愚者からも学ぶ

中田は一時あるセミナーのお手伝いをしていた時期がありました。中田個人に大きく影響を及ぼした方が講師を務める事になったので、喜んでお手伝いさせてもらいにいったのです。

中田の手伝ったセミナーは、人前でスムーズに話が出来るようになる事を勉強するセミナーでした。受講者の方は、事前に与えられたテーマに沿って時間通りに話をすることになっていました。

その受講者の一人の方にSさんと言う中年の男性の方がいらっしゃいました。Sさんは、セミナーにも毎回出席されていましたし、セミナーの開始30分前には必ず来られ、中田相手にスピーチの練習をされ、どこか問題点がないのか確認される非常に実直な印象の方でした。

ある日セミナーの終わった後に、Sさんと飲みに行く事になりました。その際Sさんに仕事の話を聞いたのですが、どうも普通のサラリーマンとは違う感覚の話をされます。自営業の方なのかなと思っていたのですが、最後に名刺交換をして、驚いたのはSさんが、誰でも知っている上場企業役員をされている方だったのです。

その後会社のHPを見ると、Sさんが講師になっての1時間半もの講演の企画が記載されていました。要はSさんは話をする事は長けていた方だったのです。

その後セミナーの全日程が終了した際の打ち上げの席でSさん相手に会社のHPで見たとの話をしました。逆にSさんのような話をすることに慣れている方が、私のような人から学ぶ事等なかったんじゃないかと言いますとSさんはこう答えられたのです。

「自分はある程度時間をいただいて話をするのは得意なのですが、短い時間で簡潔に話をまとめるのはあまりうまくないので、このセミナーに参加したんですよ。自分なりに弱点を解消出来たと思いますし、中田さんを初めとして皆さんの興味深い話を聞く事が出来て本当によかったですよ」

Sさんからしてみれば、私などまだまだヒョッコのような人間だった筈ですが、そんな私にも敬意の念を以て接して下さったのです。私はその時

「賢者は愚者からも学ぶが、愚者は賢者からも何も学べない」

との言葉を思い出しました。Sさんとの経験を通して、Sさんのような「愚者からも学べる賢者になりたい」中田はそんな風に思ったのです。